TPO・着用シーン着物の種類によります
有名なもの ※染・メーカーなど英、さんび、撫松庵 など

正絹の着物との着心地の違い

絹100%でできた正絹の着物とポリエステルの着物では、一般的に、正絹の着物の方が着心地がいいといわれています。

絹は、蚕(かいこ)が生んだ繭で作られています。その繭は人間の体にも含まれているタンパク質でできており、肌になじみやすいのです。また1本1本の糸の太さも微妙に異なるため、体の線にフィットしやすくなっています。

一方ポリエステルの着物は、合成して作られた化学繊維です。そのため糸の太さが均一で、柔軟性や通気性があまりよくないという特徴があります。

しかし、最近では合成技術が発達して、柔軟性や光沢に優れたポリエステルを作ることができるようになりました。こういった生地は、マイクロファイバー(超極細繊維)や、高級ポリエステルと呼ばれています。

そのため今では、ポリエステルの着物=すべて着心地が悪い、というわけではありません。ポリエステルの着物でも着心地にこだわって作られたものもありますから、気になる場合は1度試着してみるのがよいでしょう。

合わせるにはどんな帯がいい?

ポリエステル着物の帯

帯にも、着物と同じように、絹やポリエステルなど素材が異なるものがあります。絹の着物には絹の帯、ポリエステルの着物にはポリエステルの帯など、素材を合わせようと思うかもしれません。しかし実は、ポリエステルの着物には同じ素材の帯がいいというわけではないのです。

先ほどご説明したように、ポリエステルとは化学繊維のことです。化学繊維には、表面がすべすべ、つるつるしているという特徴があります。そのため、ポリエステルの着物に、同じく表面がつるつるしているポリエステルの帯を合わせると、とても滑りやすくなってしまいます。

そこでおすすめなのが、正絹の帯です。正絹の帯だと、ポリエステルの着物の上からでもしっかりと締めることができます。また、正絹の帯は上質感があり、全体的に見てさらにきれいな仕上がりになります。

ポリエステルの着物は、素材を合わせるのではなく、絹など違った素材の帯との組み合わせを楽しんでみてください。

ポリエステル素材の着物を着るときに気を付けること

ポリエステルの着物はその素材上、着崩れや、通気性・吸収性の悪さといったことに気を付けなければいけません。正絹の着物と比べて重量があり滑りやすいので、着崩れしやすいという特徴があります。

また、糸が均一になるよう作られているため、通気性が悪く、汗などをあまり吸収できない素材でもあります。そのため、帯を巻いているおなか周りや背中は、べたつくことがあるかもしれません。

こういったことを防ぐためには、正絹の帯を使い、着崩れしないようにしっかりと締めることが大切です。また、着物の下に肌襦袢(はだじゅばん)や裾よけと呼ばれる和服用の下着を着ると、汗を吸収してくれます。これらは、キャミソールやワンピースの下に着ることのあるペチコートなどでも代用がききます。代用する場合は、吸湿性のいいものを選ぶようにしましょう。

ポリエステルの着物でもおしゃれなお店に着ていける?

着物で食事をする女性

ポリエステルの着物は安物だから、着ていけないお店がある、などということはありません。ポリエステルで服を作る技術が発達している現代では、一見しただけでは正絹でできているか、ポリエステルのものなのか分からないほどになっています。

ポリエステルの着物は洗うことができるので、特にランチや飲み会などの外食で、万が一においや汚れが付いても大丈夫という安心感があります。また、お茶やお花といったお稽古事で使えるように作られた、上品で上質なポリエステルの着物もあります。お茶やお花の先生の中には、特に夏場は洗いやすいポリエステルの着物を着る、という方もいらっしゃるそうです。ポリエステルの着物は、おしゃれなお店やパーティー、お稽古へ着て行っても、特に問題があるわけではありません。

ただし、着物に精通している人には、見た目や手触りで、ポリエステルの着物だと分かってしまうこともあります。よく着物を着る人の集まりや格式高い席などで、気になるようであれば、ご自身の判断で着用を控えるとよいでしょう。