下駄と草履の違い

浴衣でお出かけする時は、下駄か草履を履きますよね。でも下駄と草履の違いを知らない人は意外と多いのではないでしょうか。
下駄と草履のどちらを選ぶかで、自分に合ったものの選び方や、履き方のコツが異なります。それぞれの特徴をしっかりと理解して、自分に合うものを選びましょう。
シーン
下駄は一般的にカジュアルなシーンで履かれます。草履はかかとが高いと振袖を着る時などフォーマルなシーン向きで、かかとが低いと浴衣を着る時など、カジュアルなシーンで履かれることが多いです。
素材
下駄は木製ですが、草履は革・ビニール・布・ウレタンで作られています。履いた時にカランコロンと音が鳴るのが下駄の特徴。草履はフォーマルなシーンで履かれることが多いので、足音が響きにくくなっています。
形
浴衣を着る時に履かれる下駄は、下駄の基本型の二本歯の四角いデザインや、草履のように底が平らなデザインなど様々な形があります。草履は基本的に高さが低く、底が平らで安定感があります。
足袋の有無
下駄は素足で履くのが一般的です。草履は見た目の美しさから、足袋を履くことが多くあります。浴衣を着る時は下駄が履かれることが一般的ですが、歩くときに足音が響かないことや、台がクッション性で、足が疲れにくい素材のものが多いという点で、浴衣にカジュアルな草履を合わせて履く人も増えています。
草履を履くときに痛くならない履き方については、下のサイトで紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
たくさん歩いても痛くならない?!着物姿を華やかにする草履の正しい履き方をご紹介!
自分の足に合った下駄なら痛くなりにくい!

それでは、実際に下駄を購入する際に知っておきたいポイントをお伝えします。
1. 鼻緒の中は柔らかすぎるスポンジではなく堅めのボール紙がおすすめ!
鼻緒は柔らかすぎると逆に足が痛くなることもあるので、足をしっかり固定してくれる、少し堅めのボール紙でできた下駄がおすすめ。
2. 足がしっかり固定される下駄を選ぶ
下駄は足の親指と人差し指で前坪を挟むように履くのがポイント!履いて歩いてみたときに足が下駄からずれてしまうのは、足にフィットしていないということなので、歩いた時に下駄から足がずれない下駄を選びましょう。
3. 足を乗せる台の幅は歩いた時に安定感があるものを
足が台の上からはみ出てしまう場合は、台が大きめの下駄を選ぶとバランスを取りやすいです。
4. 鼻緒の裏の縫い目が直接肌に当たる下駄はNG!
縫い目が肌に当たると鼻緒ずれしやすいので要注意。ベルベットのように、肌に優しい素材が使われているものを選ぶと痛くなりにくいです。
5. 鼻緒の太さはやや太め
下駄を普段履かない人には、鼻緒が太めの下駄がおすすめ。太いと鼻緒が肌に触れる部分に力がかかりづらく、長時間歩いても足が痛くなりにくいので、痛くなるのが不安な方は鼻緒が太い下駄を探してみてくださいね。
6. 下駄の底の高さも要チェック!
基本的に下駄は底が草履よりも高いので、履きなれてないとバランスを取りにくいことも。中には履きなれない人のために、底が草履のように平らになっているものもあるので、一番歩きやすい下駄を履きましょう。
7. たくさん歩くなら軽い下駄を
下駄には歩きやすく軽い木材が使われたものと、重い木材が使われたものがあります。長時間浴衣で歩くのは軽い下駄のほうが疲れにくいので、できるだけ軽い下駄を探してみてはいかが?
下駄を買ってから履くまでのやることリスト

自分にあった下駄が見つかったら、次は下駄を履く当日に備えてしっかり準備しましょう。事前準備をしておけば当日も安心!
鼻緒をほぐす

新品の下駄は多くの場合、鼻緒の中に入っている型紙が堅くなっています。この堅さは足をしっかり下駄に固定してくれるので大切なのですが、足になじんでいないと痛くなることもあるので、少しほぐしましょう。
ほぐすのは前つぼと鼻緒全体です。ほぐしすぎると履いた時に緩すぎて逆に緒ずれしてしまうこともあるので、足がしっかり固定されて、きつすぎない程度にほぐすのがポイント。
痛くならない便利グッズを用意する
肌に塗るタイプの緒ずれ対策グッズ
・保護クリーム・ワセリン

保護クリームやワセリンは、下駄を履いて足が痛くなった時に、鼻緒が当たる指の間と足の甲に塗ると、摩擦が抑えられるのでおすすめ。
・べビーパウダー

保護クリームやワセリンがない時は、ベビーパウダーでもOK!足の甲や指の間に塗ると、サラサラなパウダーが摩擦を和らげてくれます。
貼るタイプの緒ずれ対策グッズ
・取付型ジェルパッド

ジェルパットは、下駄の前つぼに貼ると鼻緒ずれを防いでくれるので便利。色も透明なので目立ちませんし、ジェルパットがクッションになるので歩きやすくなります。足の裏が痛くなる方は、靴底用のジェルパットもおすすめです。
・絆創膏

下駄の緒ずれ対策に定番の絆創膏。特に擦れやすい指の間を保護するために、親指と人差し指の下の箇所や、鼻緒が当たる足の甲に貼ると痛くなりにくいです。長時間歩くときははがれてしまうこともあるので、絆創膏を数枚用意しておくか、水に濡れてもはがれない、粘着力が強めの絆創膏を使うのがおすすめ。
お洒落しながら緒ずれ対策グッズ
足袋

下駄を履くときに足袋を履く人はあまり多くないかもしれませんが、足袋は緒ずれ対策に最適のアイテム!足全体を守ってくれるだけでなく、足元を一気に華やかに。最近は、レース足袋が浴衣に上品さをプラスできて人気です。足袋の滑りやすさが心配な方は、裏に滑り止めがついている足袋なら安心。
雨の日の緒ずれ対策グッズ
爪川(雨の日用)

雨の日は、足が濡れて台から足が滑りやすくなって緒ずれしやすので、しっかり対策しましょう!足が濡れないように爪皮をつけて履くと、雨の日も足が濡れにくく歩きやすいのでおすすめ。
下駄を履く時に注意したいこと

事前準備ができたら、さっそく下駄を履いて歩いてみましょう!痛くなった時の対処法が万全でも、なるべく痛みを事前に防ぎたいですよね。
次に足が痛くならない下駄の履き方と歩き方をご紹介します。
痛くならない下駄の履き方
鼻緒を広げて履く

下駄を履くときは、足だけで無理やり履くのではなく、両手を使って鼻緒を横に広げて足を通すのがポイント!鼻緒が広げないで足を入れると、鼻緒がねじれて緒ずれしやすいので、ゆっくり鼻緒を外側に広げて履きましょう。
鼻緒と指に隙間を開けて履くと痛くない

下駄を履くときは、鼻緒の前つぼと指の間に指が1本入るくらいの隙間を空けて履きましょう。隙間を空けずに前つぼギリギリまで足を入れると、緒ずれにつながってしまうこともあるので、隙間をしっかり空けて履いてくださいね。
下駄を斜めに履く

下駄を履くときは、下駄の中心線から少しずらして斜めに履くのが歩きやすく、足が痛くならないポイントです。かかとを内側にして、小指と薬指が少し下駄からはみ出すくらいがベスト!
重心を前に前つぼを指で挟んで
下駄を履くときは重心を前にして、前つぼを親指と人差し指で挟んで歩きます。普段履いている靴は、かかとに重心をかけて歩くことが多いですが、下駄や草履の場合かかとに重心をかけて歩くと、かかとが痛くなってしまいます。鼻緒ずれを防ぐために、指の間に隙間を空けたまま、鼻緒を指で挟んで重心を前にして歩きましょう。
おわりに
いかがでしたか?下駄を履いた時に足が痛くならないように、事前にしっかりと対策しておけば、お出かけの時も痛みを気にせず、快適に過ごせます。
新品の下駄は足になじんでいないため痛くなりやすいので、まずは家で少し履いてみて歩けそうだったら下駄でお出かけしてみてくださいね。浴衣で思いっきり夏を楽しむために、ぜひ参考にしてみてください♪