振袖のファーショールとその種類

成人式の女性たち

成人式で、白いふわふわとしたファーショールをつけている方が多いですよね。
このファーショールは、昭和34年に美智子上皇后がミンクのショールを身に着けられていたことで流行しました。
しかし当時、ミンクファーは大変高価なものでした。そのため庶民は安価なラビットファーやフェイクファーといったショールを取り入れていたそうです。
また、同時期にはショールの人気に注目した呉服店が、振袖を購入した人にショールを無料でプレゼントするという企画を打ち出しました。
プレゼントされた人が喜んでショールを付けたことが宣伝となり、「振袖にはショール」という流行が確立したのですね。

羽毛ショール

成人式の振袖に合わせるショールの中で一番ポピュラーなのが、羽毛ショールです。
水鳥やダチョウの羽から作られているため、動くたびに柔らかい羽がふわふわと揺れて、とても華やかです。
ダウンジャケットや冬用布団にも用いられるように、羽毛は軽くて暖かいので、しっかりと防寒対策にもなりますし、重くて肩が凝るといった心配もありません。

フォックスショール

フォックスショールとはその名の通り、キツネの毛皮から作られています。
保温効果の高い綿毛と、艶のある長毛が混在していて、その独特な立体感が魅力です。
毛足が長く、ボリューム感があるため派手な振袖によく合うでしょう。
フォックスショールと一口に言ってもシルバーフォックス・ブルーフォックス・レッドフォックスと、キツネの種類によって分かれていて、それぞれ肌触りが異なりますので実際に触って確かめてみたいですね。
ダウンジャケットや冬用布団にも用いられるように、羽毛は軽くて暖かいので、しっかりと防寒対策にもなりますし、重くて肩が凝るといった心配もありません。

ラビットショール

ラビットショールは、毛足の短いウサギの毛皮から作られており、滑らかな肌触りと光沢感があります。
毛皮のショールの中では比較的お手頃価格で、普段使いもできる程よいボリューム感がメリットです。
しかし、他素材に比べて毛が抜けやすいというデメリットもあります。
ウサギの品種名から「レッキスファー」とも呼ばれることもあります。

アクリルフェイクファーショール

お手頃価格で済ませたい人や、毛皮が苦手という人は、化学繊維で作られたフェイクファーショールがおすすめです。
フェイクファーは毛足の長さや色などデザインの選択肢が豊富で、耐久性に優れているという特徴があります。

ファーショールの意味と役割

ファーを装った着物女性

振袖のファーショールですが、そもそもどのような意味があるのでしょうか。
ほとんどの方が身につけているので、必須の小物だと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実はあのファーは「防寒着」にあたります。振袖は意外と衿元や腕、足元が意外と寒く感じるので、その防寒のためにあります。
着物のコートというと道行コートなどがありますが、成人式で着る着物は振袖ですよね。コートですとその華やかな色柄や、帯結びが隠れてしまうため現在のようなファーの方が適していると言えます。
成人式は1月に行われますので寒さが堪える時期。
会場内は良いですが、会場の外での写真撮影や移動の際などは防寒着が必須です。
成人式のファーは着物用のコートとして、和服の際の防寒対策に役立っているのですね。
もちろんその華やかさから装飾品としての役割もあります。

ファーショール以外の防寒具

振袖に合わせる防寒具としてはショールやポンチョなどでもOKです。
寒い地方にお住まいでファーは嫌だけど何かしらの防寒対策をしないと無理な場合はショールやポンチョなどでも個性的です。
例えばちりめんに刺繍のはいったショールなどは成人式ならではの品です。
ファーのようなちりめんに刺繍の入ったショールなどは成人式ならではの品ですね。
ファーのようなゴージャス感は出にくいかもしれませんが、ショールであれば小さくたたむことができるので、荷物にならないという点ではおすすめです。
また、ショールは畳み方次第で大きさを変えられますし、万が一、当日雨や雪だった際に広げて着物全体を守る役割としても使えます。

ファーショールのマナー

ファーは防寒具なので、室内では外すのがマナーです。
パーティーに行ってコートを脱ぐのと同じですね。
外したファーは成人式に出席する際はクロークに預けるか外して腕にかけておきましょう。
そのため、成人式の会場に入ってしまうと手荷物になってしまうともいえます。
つまり会場の外にいる時間が短いのであればファーはいらないかもしれませんね。

ですが、あまりファーの意味について教えてくれる方もいませんから、最近では式典中でもファーを付けたままの方をたびたび見かけます。
今やファーは成人式を彩る装飾小物のひとつとして見なされ、防寒具としての認識が低くなってしまっています。
せっかく成人式という大人の仲間入りを祝う式典ですから、マナー違反をしないよう、これから成人式を迎える人には気をつけてほしいところですね。
成人式以外でファーを羽織る機会があったなら、会場内に入ると同時にファーは外すように気をつけましょう。

ファーショールのカラー

ファーの多くは白ですが、実際には茶系やグレー、黒もあります。
レンタルセットなどで白いファーがついてくる場合もありますが、このファーでこだわりを出すこともできますね。
衿元にかけるので、顔写りのよい色をチョイスするのも良いでしょう。
振袖を選ぶ時にファーも一緒にあわせてみるとどう映えるか見比べることができます。

着物の柄や色に左右されない白のショールは、最も王道で人気の高い色です。
また、白を顔のすぐ下に持ってくることで、顔周りを明るい印象にしてくれます。
白はポピュラーな色なので、素材や毛足の長さなどが自由に選べるところもポイントです。

振袖が明るめの色なら黒のファーを合わせることで引き締まってシックな印象になります。
大人っぽい雰囲気がお好みの方におすすめです。

グレー

グレーのファーは、落ち着いた雰囲気を醸し出してくれます。
黒ほどではなく、ほどよく自然な陰影を作ってくれます。
また、洋装などにも違和感なく馴染むカラーです。
同系色の振袖と合わせて統一感を出したり、暖色の振袖と合わせてアクセントにしたりと様々な使い方ができる点も支持される理由です。

ピンク

可愛らしい雰囲気になるピンクは人と被らず個性を出したい方にぴったりです。
ピンクと言っても様々なトーンがあり、特にくすみピンクであれば、甘くなりすぎることもありません。振袖だけではなく、洋装のパーティーシーンなどでも使えそうですね。

ファーショールの意味と役割

成人式の女性たち

成人式後になかなかファーを使う機会はありません。
成人式と同じく冬の時期の初詣や初釜などで振袖を着用する際には再利用できるかもしれません。
また、基本的にファーは振袖以外に合わせることはありません。
合わせてはいけないという厳密なルールがあるわけではありませんが、小紋や色無地に合わせてもファーが浮いた印象になってしまいます。
振袖は華やかでゴージャスなため、ファーもゴージャスであってもしっくりくるのですね。

ファーは年数が経つと毛が抜けやすくなったり、色が変わってしまったりと劣化しやすいため、もし振袖を冬に着る機会が少なそうであれば、綺麗なうちにリメイクして他の物に作り変えたり、知人や友人の方に譲ってしまったほうがいいかもしれません。

ファーショールは振袖を華やかにしてくれるアイテムです。
ですが、カテゴリーとしては防寒着にあたるので、会場に入ったら外すといったマナーは守りたいですね。