宮古上布(みやこじょうふ)とは?

宮古上布とは

まず、宮古上布の特徴や歴史をお伝えします。

宮古上布の特徴

  • 沖縄県宮古島が生産地
  • 麻織物の最高級品
  • 生産量が少なく希少
  • 夏用の着物

沖縄県宮古島が生産地

上布は、麻を手で紡いだ糸で織られる織物のことを指します。宮古上布は苧麻(ちょま)と呼ばれる、草木の繊維を主な原材料として使用しています。宮古上布はこの苧麻の栽培から織り上げまで、全てを宮古島で行っています。

麻織物の最高級品

宮古上布は、「越後上布」、「近江上布」に並ぶ日本の三大上布の一つで、麻織物の最高級品とされています。全工程を手作業で行っていることなどから、1978年には国の「重要無形文化財」に指定され、2003年には苧麻の糸を積む技術が「国選定保存技術」に指定されました。

生産量が少なく希少

技術者の高齢化にともない、年間生産量も減少傾向にあります。また、宮古上布は全て職人の手作業で織られており、糸を手で積んで着物を織り上げるまでに、数年かかることもあることから、高価な着物が多くなっています。

宮古上布を着る時期は?

宮古上布は、7月末から8月中旬くらいまでの、比較的気温が高い時期に着られることが多いです。苧麻の通気性に富んだ特徴を生かし、暑い夏でも快適に過ごせます。

宮古上布の歴史

400年以上前、琉球の船が台風で沈没しそうになった時に、宮古島の男が海に飛び込み船を修理して乗組員の命を救いました。琉球王はその男の功績をたたえて、「間切当主(まぎりとうしゅ)」に任命しました。喜んだ男の妻が王に感謝の気持ちとして「綾錆上布(あやさびじょうふ)」を献上したのが、宮古上布の始まりとされています。

宮古上布の生地の特徴

生地

次に、宮古上布の生地の外見や、長所と短所について見ていきましょう。

生地の外見

  • 濃い紺色と藍色
  • 模様は十字絣
  • 光沢がある
  • 透け感がある
  • 耳じるしがある

濃い紺色と藍色

色

代表的な宮古上布の地色は、濃い紺色です。その上に藍色(紺色より少し明るめの色)や白色の模様が入っています。現代作品だと白地などの明るい色も多くなっています。

模様は十字絣(じゅうじがすり)

模様

宮古上布の柄は、「十」の形をしています。締め機と呼ばれる器具で、経糸と緯糸をズレのないように慎重に織られています。

光沢がある

光沢

宮古上布は、「砧打ち(きぬたうち)」という布を木製のハンマーで叩く仕上げの工程によって、光沢のある生地に仕上がります。時間をかけて、まんべんなく布を打つことで、仕上がりはロウを引いたようになめらかになります。

透け感がある

透け感

宮古上布の透け感は、苧麻の糸の特徴が大きく関係しています。宮古上布は、太く、丈夫な苧麻の繊維を一本一本手で裂いた糸で織られます。苧麻の糸は薄く、細いので織り上げた時に透け感が強い外見になります。

耳じるしがある

宮古上布には「耳じるし」という、琉球地方の織物特有の印があります。耳じるしは、生地の端に薄めの色の糸が縫われている部分を指します。着物の袖口の下の部分にあたる、「袂(たもと)」の内側を確認すると分かりやすいです。

生地の質

  • 宮古上布の長所
    通気性に優れている
    丈夫(特に水に濡れると強度が高くなる)
    重さが軽い
    吸湿性が高い
  • 宮古上布の短所
    シワになりやすい
    お湯で繊維が縮みやすい
    摩擦に弱い
    汗で変色することがある

宮古上布の生地の特徴として、通気性や吸湿性に優れているという点があります。夏用の着物なので、気温が高い時も快適です。また、汗をかいたときに汗を吸収してくれるので、熱がこもって蒸れる心配もありません。 しかし、宮古上布のような麻織物はシワになりやすく、お湯で繊維が縮みやすいなどの特徴もあるので、お手入れの際は注意が必要です。

宮古上布はどうやってお手入れする?

お手入れ

次に、高級な宮古上布のお手入れ方法をお伝えします。

着用後のお手入れ

宮古上布を着終わった後は、シワを取るために簡単にお手入れしてからタンスにしまうことをおすすめします。着用後のお手入れの手順は以下の通りです。

●用意するもの
  • 和装用ハンガー
  • 霧吹き(シワ取り用)
  • 新聞紙
  • お手入れの仕方

    1.風通しが良く、直射日光の当たらない場所で和装用ハンガーにかけます

    2.着物の下に新聞紙を敷きます

    3.折り目になる部分以外に霧吹きで水をかけます

    4.乾いたら折り目に沿ってたたみます

    自分で丸洗いする場合

    着用後に毎回丸洗いすると、丈夫な宮古上布でも繊維が傷んでしまうことがあるので、普段は汚れが付いた箇所やシワのお手入れのみにしましょう。また、汚れがひどい場合は、着物専門店で落としてもらうのが安心です。

    自分で宮古上布を丸洗いする手順としては以下の通りです。

    ●用意するもの
  • 和装用ハンガー
  • 柔らかい素材のバスタオル
  • 弱アルカリ性の洗濯洗剤
  • 新聞紙
  • アイロン(スチーム)
  • お手入れの仕方

    1.浴槽に水(温度は30度以下)を大量にためて、ゆっくり押し洗いで汚れを落とします

    生地が繊細なので強くこすらないようにしましょう

    2.洗剤は弱アルカリ性を薄めて使います

    3.洗い終わったら柔らかい素材のタオルで水を吸い取ります

    4.着物を干す場所の床に新聞紙などを敷いておきます

    5.和装用ハンガーにかけて風通しが良く、直射日光の当たらない場所で陰干しします

    6.シワが気になる場合は、乾ききる前にアイロンをかけるか、乾いた状態からスチームアイロンをかけます

    おわりに

    いかがでしたか?宮古上布は、洗練された技術によって全工程を手作業で仕立てられている、麻織物の最高級品です。生地が丈夫で水に強いので、自分でお手入れしやすい宮古上布ですが、少しでも美しい状態に保てるように、日頃からこまめに汚れのチェックやシワ取りなどのお手入れを継続してみてくださいね。