展覧会の概要

会場となる渋谷区立松濤美術館には、沖縄県内の博物館・美術館ほかの協力のもと集められた沖縄の着物が一堂に展示されています。

会場はふたつに分けられ、そのうちの第一会場には伝統的な沖縄の着物、第二会場には現代の沖縄の着物がそれぞれ展示されています。

また会期中は、展示替えが2回予定されていて、より多くの沖縄の着物を見て楽しめるようになっています。

第一会場 - 伝統的な沖縄の着物・染織品 –

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ここでは、紅型(びんがた)という沖縄県を代表する染色技法で制作された着物を中心に、沖縄が琉球王国と呼ばれていた時代の伝統的な沖縄着物が多数展示されています。

黄緑地芭蕉衣装

なかでも糸芭蕉の茎の繊維から作る芭蕉布(ばしょうふ)で作られた「黄緑地芭蕉衣裳(きみどりじばしょういしょう)※」は、茎の繊維を極めて細く、また、つなぎ目がわからないほど繊細に紡いだ糸で織りあげられていて、その布地の滑らかさと薄さから「絹芭蕉」と称されています。
(※8月25日で展示終了しています)

芭蕉布というと、少しざらざらした手触りの生地をイメージしますが、見た目も本当になめらかでとても薄く、制作された職人の技術の高さが感じられます。

第二会場 - 現代の沖縄の着物・染織品 –

第二会場

こちらの会場では、琉球の伝統を受け継ぎ、人間国宝を含む現代の作家によって制作された沖縄着物が展示されています。

会場に入ってまず目に入るのは、なんと90歳を超えられた作家 平良敏子さんが制作した芭蕉布の着物です(上記写真の左)。黄色やオレンジなど明るい色合いの着物には、絣(かすり)模様が施されています。これら着物の柄や模様は、出来上がった着物の生地に描いているのではなく、先に染めた糸を織り上げてできているそうですが、それがどうしてこんな綺麗な模様になるのか不思議な感じがしますね。

絹深浅地花倉織衣裳

これは「絹深浅地花倉織衣裳(きぬふかあさじはなくらおりいしょう)」という着物で、現在の沖縄には継承されていない特殊な手法で制作された非常に珍しいものです。この着物は国内には実物がなく、ベルリンの博物館だけに現存していたものを、調査して復元した大変希少な着物です。

まとめ

沖縄の着物というと、黄色地に赤い模様が入った着物の印象が強いかもしれませんが、実際に今回の展示会を見てみると、伝統的なものから新しい着物まで本当に多くの文様や様々な技術があることがわかります。

この展示会では、国宝を含む延べ52着もの展示が予定されていますが、その他にも、講演会やギャラリートーク、演奏と舞踊など様々なイベントも開催されています。

また、会期中に展示替えが行われますが、一度来館いただくと“リピーター割引”が利用できますので、展示内容が替わった後に再度お出掛けしてみるのもお勧めです。

今回は「美ら島からの染と織-色と文様のマジック」に展示されている着物のうち、ほんの一部を紹介しました。

会場にはたくさんの着物や染織品が展示されていますので、興味のある方は、是非お出掛けしてみてはいかがでしょうか。