着物はリメイクに向いている…!?

サイズが合わなくなってしまった、デザインが年齢に合わなくなってきた、そんな理由で着なくなってしまった着物をどうしていますか?
人に譲る、買い取ってもらう、思い切って捨ててしまう…さまざまな方法があると思いますが、着物でのリメイクを考えてみてはいかがでしょうか。
着物の素材である絹は強靭性や弾性に優れています。また、着物は一つの反物を直線裁ちで裁断してつくっているため、すべてのパーツがほぼ直線になっています。
貴重な絹を無駄のないように使うため、無駄な生地というものがありません。つまり、仕立てられた着物をほどくと一枚の布に戻るのです。
そのため着物はリメイクしやすいと言えます。 思い入れのある着物は是非リメイクして新たに生まれ変わらせてみてはどうでしょうか。 リメイク品を次の世代に受け継いでいくのも良いですね。
着物リメイクの手順

まずは簡単に着物をリメイクする際の手順についてご紹介します。
布地のチェック
着物生地の状態をチェックします。シミや汚れ、ほつれなどの状態によってリメイクに使用しないほうがいい部分もあります。
きれいな生地がどれだけあるのかはじめに確認しましょう。
着物をほどく
着物のほどき方はとてもシンプルで、糸切りバサミやリッパーで縫い糸を切っていくだけです。
着物の箇所によってはとめ糸がしっかりしていることが多く、その部分は布を切らないように慎重に切っていきます。 着物を仕立てる順番と逆順でほどいていくとほどきやすいです。
布地を洗う
多くの着物は絹でできているため、洗濯機で洗うと縮みや色落ちの原因となります。クリーニングに出すか、手洗いが良いでしょう。
手洗いする場合は、おしゃれ着洗剤などを入れたぬるま湯に浸け、押し洗いし優しくすすぎます。洗剤が残っているとシミの原因となるため、十分にすすいでください。絞らず手で押さえるようにして水気をとり、しわを伸ばしてハンガーにかけ陰干しします。
しわがとれやすいように完全に乾ききる前にあて布をしてアイロンをします。
着物リメイクは自分でできるの?
着物リメイクは洋服のリメイクよりも技術が求められます。絹は扱いが難しい生地であり、簡単に洗濯することはできません。洋服へのリメイクを考えている方はこの点に気を付けてください。
また、着物のリメイクは裁断や裁縫の技術だけではなく、柄合わせが難しいと言われています。着物全体にちりばめられた柄を上手に組み合わせるのにはセンスが必要です。
もちろん自分で手作りすれば愛着のわく一品になるでしょう。
現在では、着物のリメイクに対応している業者も多く存在するので、プロの力を借りるというのも一つの手です。
着物リメイクにおすすめのアイテム
着物の劣化状態によって製作できるリメイク品は限られてきます。特に、生地を広く使いたい背中や袖の部分に汚れや傷みがないか確認しましょう。
ドレス/ワンピース

ドレスへのリメイクは留袖、振袖、訪問着などが適しています。とても華やかなドレスに生まれ変わります。
ロングドレスは着物1着丸々使っての制作となるため、シミなどの汚れがあると使用できる生地が限られてしまうので難しいでしょう。その他ミニドレス、ワンピースドレスなどを着物からリメイクしても素敵です。
ノースリーブのワンピースであれば着物生地の半分ほどあればリメイクできます。
生地の素材によっては帯からもワンピースはできます。
着物リメイクはドレスやワンピースの他にもスカートやパンツ、ブラウス、ベスト、ジャケットという選択肢もあります。普段使いのファッションアイテムに生まれ変わらせたい方におすすめです。
プロの力に任せたほうがクオリティの高いものができますが、ワンピースなどの型紙は本やネットでも手に入るので縫製に自信のある方はぜひ試してみてください。
バッグ

着物のリメイクでもっともメジャーなのがバッグへのリメイクです。着物からリメイクされたバッグであれば、着物でのお出かけの際にぴったりです。
着物に合う大きめのバッグというものはなかなか少ないですが、リメイクバッグであればぴったりのバッグに仕上げることができます。
着物だけではなく帯からも製作できます。帯からのリメイクバッグは着物よりもしっかりとしたつくりになります。刺繍の多く入った帯は布地が堅いので自宅でリメイクするのは控えたほうが良いでしょう。
着物生地よりも少し厚手の名古屋帯であれば家庭用のミシンでも製作できます。
日傘

日常使いアイテムへのリメイクでおすすめなのが日傘へのリメイクです。着物の生地40%程があればできますし、日傘であれば多少のしみや汚れがあってもさほど気にならないでしょう。
業者によってはUV加工を施してくれるので実用的に日傘として持ち歩くこともできますし、部屋のインテリアとしても使用できます。着物にぴったりな目を引くアイテムとなるでしょう。
小物、アクセサリー類

着物のリメイクであまったハギレは小物にリメイクしてみてはいかがでしょうか。上の写真のようなチョーカーや付け衿、和風のアクセサリーにもぴったりです。小物入れ、スマホケース、ブックカバー、コースターなどもつくることができます。
結婚式で着た着物や形見の着物など、思い出の着物にハサミをいれてリメイクするのは少し気が引けてしまいますよね。しかし、たんすの中にしまっておくだけでも、着物は時間の経過とともに劣化してしまうのです。
思い切ってリメイクすることで、思い出をいつもそばにおいておくことができます。また、リメイクしたものをお世話になった方やお子さん、お孫さんにプレゼントしても喜ばれるでしょう。
着物リメイク、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
今回記事内でご紹介したリメイク品の画像は着物のリメイク品を取り扱う百人一趣さんにご協力いただきました。
百人一趣
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